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メタキシレンジアミン(MXDA)はメタキシレン(MX)を原料として製造される、室温では無色の液体で、骨格にベンゼン環を取り込んだ脂肪族ジアミンです。 このMXDAの生産技術は三菱ガス化学(MGC)から当社にライセンスされています。
MXDAはこの独特の化学構造により以下のような特徴を持ち、エポキシ、ポリアミド及びウレタン用途で使用される場合、独自の性能を発揮します。
MXDAを使用したエポキシ硬化剤は低温硬化性を特徴とし、これを添加することで塗料の耐薬品性、防食性を向上させることから、防食性、耐薬品性が求められる様々な用途に30年以上に渡って使用されています。
構造式 | |
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分子量 | 136.1 |
アミン価 | 824mgKOH |
AHEW / phr | 34.0 / 18.3g |
凝固点 | 14.1℃ |
粘度(25℃) | 6.8mPa・s |
1960年代後半にMGCは超強酸HF-BF3を用いて混合キシレンからの高純度MXの分離、工業化に成功しました。 その技術を生かすためにMXの誘導品展開に着手、MXを自社開発したアンモ酸化触媒と水添技術によりMXを反応させることによりMXDAの生産に成功します。
MXDAの製造は1970年に新潟のセミコマーシャルプラント建設からスタートしました。 ナイロンフィルムやポリウレタンの原料となるイソシアネート、エポキシ樹脂硬化剤への用途展開、国内外の市場開拓を図り、需要は拡大、1979年に初めて黒字決算を行うに至りました。
その後、MXDAの用途開拓はさらに進展、自社開発した誘導品のMXナイロンをガラス繊維などで強化した成形材料の「レニー」を1980年代に発売し、自動車部品にも用途を拡大しました。
MXナイロンはその優れたガスバリア性を生かし、包装材料用途への展開も進め、PET/MXナイロンの多層ボトルが欧米で採用されました。
MGCはこれらのMXDA需要拡大にあわせて、1992年には新潟、2007年に岡山にそれぞれプラントを新設して増産を行い、国内2拠点体制を整備しました。 その後も順調に需要は伸長し、2021年にはここオランダのロッテルダムに更なる新プラントの増設を決定するに至ります。
現在ではMXDAはグローバルマーケットシェアの90%以上を占めるMGCの主力製品となっています。